床下泥出しで役立つ道具(2020年夏編)

台風による河川の氾濫などで「家屋の床上・床下浸水」が起こってしまった場合、水とともに流れ込んだ泥を取り除く「床下泥出し(泥かき)」をしないと、やがて家の土台が傷む(腐る)、カビが生えるなど二次被害が発生してしまいます。

ボランティアチーム援人は、数々の被災地での床下泥出しのお手伝いを通じて経験を積みながら、より効率的に働けるよう泥出しの「道具」を吟味し備えてきました。

被災者はボランティアを選べません。ボランティアのスキルが高ければ、お宅の復旧復興はスムーズに進みます。災害ボランティアに行く人は、使える道具を(できる範囲で)持って行くことをお勧めします。

床下泥出しに使える道具に焦点を当て、2020年夏版としてまとめます。今後も必要があれば更新するつもりです。

道具は泥の状態によって使い分けると効率的

床下に入っている泥が「薄い」か「厚い」か、「乾いている」かまだ「湿っている」かで道具を使い分けると、とても効率的です。

以下で紹介する道具は、基本的に床下に潜って(這いつくばって)やる泥出し作業を前提にしています。

床板をすべて剥がし立ったままスコップなどでやることもありますが、立ったままの泥出しにはいくつか問題があります。

  1. 泥出しのために床板を全部剥がすと、後で修繕費が高くなる(※床下を乾燥させるため、あえて全部または大半を剥がすことはある)
  2. 立ったままの泥出しでは、泥を均質に取ること、隅々まで取り切ることが難しい

泥をかくために使える道具

ハンディーホー

ハンディーホー

多くの場面で使える。床下が高さが低い場合、狭い場合(各種パイプが走っているなど)は小さな道具の方が役立つ。角などのかき残しも取りやすい。ただしかき取れる範囲が狭いというデメリットはある。

この用途では、2017年の九州北部豪雨の後に熊本県立鹿本商工高等学校の生徒さんが制作された「泥かき用くわ」がある。全国の被災地のボランティアセンターに寄付されているようで、1本1本に制作者の名前が入ったくわには励まされる。援人メンバーも宮城県丸森町での床下泥出しでこれを使ってみた。ヘッドが幅広で重みのあるのはいいが、先が鈍いので使いづらいという声もあった。

移植ゴテ

園芸用具だが、丈夫なので泥出しにも使える。小型なので使い勝手はいいが、一度にかき取れる量は少ない。

移植ゴテ

チリトリ(金属)

チリトリ 金属

床下が布基礎(土)で、泥がまだ水っぽい場合や、薄い泥がパリパリに乾いているようなケースで役に立つ。ほとんど泥水だけが入っているケースでも使える。本来の用途ではないので重い泥には使わない方がよい。持ち手が折れてしまうため。

チリトリ(プラスチック)

チリトリ プラスチック

床下がベタ基礎(コンクリート)で、泥がそれほど厚くない場合には役立つ。泥水だけが溜まっているケースでも使える。本来の用途ではないので重い泥には使わないこと。持ち手が折れてしまう。

ジョレンヘッド

ジョレンヘッド

「関東ジョレン」として販売されているものの頭部だけを外したもの。「ジョレンヘッド」は正式名ではなく援人内での呼び名。泥の厚さが5㎝を超え半練り(生チョコレート)状態だと、むやみに崩さず取るにはジョレンヘッドを使って豆腐のように切り分ける。そしてヘッド自体か手を差し込んでブロックを崩さないようテミに移すと効率がよい。
腹ばいになった姿勢で厚みのある泥を楽に切るためには、ジョレンヘッドのようにある程度自重があるものがよい。

伸縮ホー

伸縮ホー

「ホー」は、西洋式草刈りのこと。伸び縮みさせられるので狭い場所でも広い場所でも使え、ある程度万能に使える。泥出しの動線が伸びてテミの受け渡しラインが長くなってしまったときの押し出し・引き寄せに使えるというメリットもある。

左官グワ

左官グワ

通常の泥出しで使うべき場面は少ないが、床下に「石や岩が多い土砂」が大量にあるとき、かき寄せるのに使いやすい。

泥受けに役立つ道具

ホームセンターで手に入りやすく多くのボランティアセンターが備えているのがオレンジ色の「テミ」。しかし丈夫ではなく割れやすいので、援人では以下の道具を使っている。

いしみ ガルバテミ バケツ

石箕(いしみ 矢崎化工・アロン化成)

写真右下。ポリプロピレン製だが丈夫で、左右に取っ手があるため受け渡しもしやすい。底面はやや丸みがあるため、これ自体で泥をすくい取るような作業には使いづらい。

ガルバテミ(ガルバリウム製テミ 豊年すくい 谷郷金属)

写真左下。ガルバリウム鋼板でできているため、極めて丈夫。石や岩混じりの土砂を運んでも壊れない。ただし重い。

バケツ

写真中央上。狭い床下などでテミすら入りづらいとき、泥の水分が多いときなどに役立つ。

補足:よくある質問と答え

Q:こういう道具は災害ボランティアセンターが備えておくべきでは?
A:そうなのでしょう。災害ボラセンの道具も充実してきてはいますが、地域によってまちまち。そんなときは道具についての「提案」や「寄付」をしてみては?

Q:道具が大切なのはわかったけど、こんなに持参できない。どうすればいいの?
A:被災地の情報をできるだけ収集し、役立ちそうな道具を厳選して持参を。仲間を募って車に相乗りで行けば、より多く持って行くこともできます(だから災害ボランティアはチームで行くのがお勧めです)。
ついでに。もし道具がない場合でも、お手伝い先のお宅に使える道具が揃っていることがあります。尋ねてみましょう。

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